きっと私の風が吹く

好きなことを、好きなように

【読書感想文】煤煙~浦安八景~

日々のお勤めお疲れさまです。アカツッキーです。

相変わらず新型コロナウィルスの影響が著しく、未だに休日を中心にドラッグストアやホームセンターでは長蛇の列が出来上がっています。

 

表題。

 

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 このブログでたびたび登場する、旅する小説家・今田ずんばあらず氏(Twitter)の友人である小説家・ひざのうらはやお氏(Twitterの作品。2019年末の大崎コミックシェルターにて購入。

 

<Introduction>※裏表紙より

 鉄鋼業が栄え、日本有数の工業都市として成長する浦安を舞台に、今となってはありえない世界を、浦安出身のひざのうらはやおによって具現化した、渾身の短編集。煤煙渦巻く熱気溢れる浦安八景がそこに。

  東京ディズニーリゾートで知られる千葉県浦安市。実在するその街が歩んできた実際の歴史に絡めた空想の日本、そして浦安を舞台に、そこで生きる様々な人々にスポットを当てて綴られる8本の短編集。

 

 全体の総評としては、浦安という街に対する愛情の深さと十全な知見を感じる作品でした。単純にインスピレーションを受けて作ったオリジナルの世界観というわけではなく、実在するものを前提とした設定をきちんとした上に自身の思い描く世界観(フィクション)を構築しており、見た目よりも手間暇が書けられているのが分かる。

 明るい話、暗い話、不思議な話。様々な味付けがされた物語は、不思議なSF感と妙なリアルさが相まって、読み終わったときになんとなく言語化しづらいふわふわとした感覚を覚えた。

 では、感想は短くなってしまうが、8本それぞれの話について具体的に見ていこうと思う。ネタバレを含むのでご注意いただきたい。

 

1,大三角を望む

  市役所に勤める男の出勤風景を描いた話。実在する大三角線と架空の市電。男の他に女子高生や老婆、工員などが乗客として登場する。椅子に深く座り眠る者もいれば、乗り換えについて思い違いをし、慌てて降りていくものもいる。その様子は実に現実的で想像しやすく、男の主観による描写がよりリアリティを高めている。男の思考や周辺状況の説明地文がやや間延びして感じたが、これは私個人の好みの問題だろう。

 一つ気になったのは女子高生に関する描写で登場した「依存症」について。その単語の直前にとある描写があるので「何の依存症か」について想像は出来なくもないが、せっかくよく練られた世界観に加えスチームパンクという独特の雰囲気を持つ作品なだけに、読者に投げかけるのは少々もったいない気もする。何かしらの存在をちらつかせ、別の短編でもそれを登場させれば共有する世界観を表すという意味では面白いのではないかと、そんなことを思った。最も、これもまた限りなく私個人の好みの問題である。

 

2,祝砲

  浦安を流れる一級河川境川。その境川を舟で下るのは新郎新婦。川岸には新たな門出を祝福する参列人。そんな晴レノ日を描いた話。新郎は浦安で生まれ育ち、浦安の市役所に勤めているらしいが、先の「大三角を望む」に登場した人物と同一かは不明。物語は新郎の友人兼同僚で、今回の川下りにおける警備を買って出た男・開田の視点で進む。警備を担当する開田は市役所職員ではあるが、その腰には県警察で使用されているものと同じ拳銃が携帯されていたり、タバコに火を点けるのに掌に収まらないほどのオイルライターを使ったり。また、境川を始めとする周辺環境の描写など細かいところにこの作品における世界観の一端が見て取れる。

 作者のあとがきに曰く、公私ともにお世話になっている方の結婚に際して書き上げたとのこと。全体的に灰色に染まる世界の中で、人々の歓声と色とりどりの祝紙、祝砲から立ち上る硝煙と熱気。それらを見て、己の職務に対する責務と覚悟を再認識する開田。それらすべてを「おめでとう」の五文字で表そうとするのは、到底無理な話である。

 

3,老人と猫

 夜の境川で釣りをする老人と、その周囲に集まる猫の話。老人・正三は境川に釣り糸を垂らして約1ヶ月。未だに一度も釣り上げたことはない。瓦斯灯に照らされてもなお夜空すら映さない境川に生き物の気配は無く、それはまさにこの世界の鬱屈した雰囲気の象徴のように思えた。短いながらに、世界観を表す単語が多く散りばめられた話。

 正三の周りに続々と集まった猫たちが待っていたのは正三の釣果だったのか、それとも……。

 

4,桜の木の下には

 浦安市役所都市整備部所属の職員による職務風景の話。物語の主観である市橋と同僚の森山。森山の左手薬指には真新しい結婚指輪が輝いているが、先の「祝砲」の新郎と同一かは不明。業務の昼休憩中、視線の先には河岸に佇む桜の木。「桜の木の下には死体が埋まっているって、昔作家が書いてなかったっけな」そんな他愛のない会話と冗句。どこにでもある日常風景が、この世界ではどことなく貴重なものに思えてならない。

 伸びた影の長さが短くなっていることに気付いて、ああそうかと得心する。桜の木の下にはきっと―――が埋まっている。好き(確信)。

 

5,夜更けに咲く灰色の花

  しがない工夫・吉平と架空都市「鼠街」に存在する郭の女の話。船で渡る人工島にある鼠街。奥に行くに連れ廃れていくその街のほぼ最奥で見窄らしく客を引く下女・さと。女を知らない吉平はさとの夜伽に溺れていく。社会の底辺を回る歯車として生きてきた吉平が見つけた天国。しかしそこから連れ出して欲しいと願うさと。さとの願いを叶えるために必要な貨幣を貯めて鼠街を訪れた吉平を、さとは鼠街の最果てへと導く。

 浦安の夢の国といえばネズミの国であるが、そこに「大人の夢の国があったら」という発想からの創作。この短編集内で一番ページ数をかけているだけあり、心情、情景などの描写が細かくて大変私好みな作品。遊女たちを鼠と呼ぶようになった由来の設定がとても好き。

 

 6,船底の秋風

  入船四丁目商店街、通称船底通りにある銭湯で働く少年の話。市電の駅と大きな引き込み道路に挟まれた街の分水嶺に位置するその銭湯は多忙を極める夜半とは裏腹に、正午を過ぎた頃は暇の極みであった。父の口利きで短期労働をする学生の少年。名前の記述はない。退屈しているところに昼食を持ってきた銭湯店主の娘・葵。葵と少年の何気ない会話と少年の思考による環境描写で話が進む。この短編集の中で最も日常的な作品と言える。

 ペン入れを終えたイラストに瞳だけ色を入れたものや、アニメなどでモノクロのカットで花や主人公だけフルカラーだったりする描写をたまに見かけるが、私はそういう演出が大好きだ。この話はまさにそれだ。灰色に染まったこの世界の中にあって、確かな色が存在する。吹き溜まりにも、陽は届き、風が吹く。

 

7,鉄屑

 鉄工所で班長として働く男の話。老朽化した鉄骨造の建造物、とりわけ水道管などの公共物の増加に伴う需要拡大に人員確保が追い付けず悲鳴を上げる鉄工所。その工員をまとめる班長・兼政は誰よりも安全に注意を払う真面目で堅実な男だった。取引先である浦安市(公共施設)からは安くて高品質な製品を求められ、大口である分、断ることも出来ずに工員たちは毎日油まみれになって仕事をしていた。そんなある日に、兼政の班で事故が起きてしまう。

 全国の水道管も高速道路も電柱も老朽化が進む現実の現代日本では、きっと類似の事象がそこかしこで起きているだろうことは想像に難くない。故に、妙な生々しさがある。終盤、兼政が鉄くずを拾ってからの心境の変化に関する描写は個人的に物足りなさを感じた。しかしこれ以上はただの蛇足だと思う気持ちもある。塩梅とは難しいものだ。ただ兼政には、これからも顔を上げていてもらいたいと思った。

 

8,夏、平成、「あたり屋」

 二人の少年と駄菓子屋のおばあちゃんが綴る平成最後の夏の話。あたり屋は駄菓子屋の屋号であって、金銭目的にわざと事故を起こす輩のことではない。平成三十三年の夏。幸太と寛治は遊びに出かけるが、三十五度の酷暑から逃れるように駄菓子屋「あたり屋」に避難する。出迎えてくれたのは湿布のニオイをまとった魔法が使えると噂のおばあちゃん。おばあちゃんが語る、浦安の暑さの秘密と成り立ち。そっと差し出されるアイスキャンディ。そして、夏が終わる。

 もうほとんど見かけなくなった駄菓子屋と、小銭を握りしめて通う子どもたち。ほほえみながらそれを迎える店主のおばあちゃん。失われつつある日本の原風景の一つ。鉄屑に引き続き「あったかもしれない」というリアリティに溢れる作品。最後の寛治のセリフが頭の中で反響している。

 

 

 というわけで、全編の紹介とちょっとした感想でした。感想になっているかは不明ですが。作者であるひざのうらはやお氏は同氏が参加したアンソロジー本曰く、自身のブログで読了した作品の感想を書いていらっしゃるとのことですから、私の記事など見るに耐えないかもしれませんが、その辺は寛大な処置をいただきたく。

 

 私は平成とともに生まれた人間で、生まれも育ちも今現在住んでいる町である。町のことを紹介しろと言われればホットミルクの表層に出来る膜のように当たり障りのない必要最低限の紹介はできる自信はあるが、そこから話を広げたり構築することはきっと出来ない。住んでいるだけでは気づけない、気づかない。そういうものは星の数ほどあるが、それを作者は丁寧に拾い集め、選別し、削って磨いたのだろう。その努力と感性、そして作品として作り上げたことに心からの敬意を。

 

 最後に、この記事は数日に分けて書いているため書き方などが微妙に異なりより一層読みづらくなっているかと思います。まことに申し訳ございません。

 

 それでは。

 

 

  次回の感想文はあめつちです。たぶん。

【お知らせ】You Tube登録者400人突破しました

日々のお勤めお疲れさまです。アカツッキーです。

新型コロナウィルスの影響で色んなものが自粛され、倒産する会社のニュースも毎日のように目にします。私の(知っている限り)唯一外国住まいの友人の国でもコロナは拡大しており、遂にその友人の済む地域も規制されたそうです。本人は感染していないものの、情報が少ないため不安とのこと。日本のみならず、早々の収束を願います。

 

では、表題。

 

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 一昨日、3/6(金)の夜にYou Tubeチャンネルの登録者数が400人を超えました。(3/8 18時現在:404人)

 いつもご視聴ありがとうございます。ずんだ式講座の1時限目がもうすぐ1万再生となり、需要があったんだなと素直に嬉しく思います。

 とはいえ続く2~5時限目の再生数があまり動かないため、動画時間の短縮など見せ方の工夫はもっと必要だなと思う次第です。

 

 とはいえ、100人→200人が138日。200人→300人が76日。300人→400人が51日という増加数を見るに、VOICEROIDの注目度が順調に伸びていること、VOICEROIDを始めてみたいと思う人が増えていること、そしてそうした方々の役に少しでも立てている(かも?)ということが垣間見えることが、素直に嬉しく思います。

 

 一方で実況系はまったく伸びないので、You Tubeではやはり私は実況系は求められてない(アンマッチ)んだろうなと言うのが正直なところ。まぁニコニコ動画でも動画投稿するたびに必ず減っていくのがもはや私の中では恒例なので、私は何を求められているんだろうかと頭を悩ますところ。といっても、面白かったとか待ってるとかうぽつとか言ってくださる方がいらっしゃいますし、ニコニコ動画で広告もしていただいたりもしてますので、そうした皆様への感謝は忘れずにいたいなと思います。

 

 最近は精神的に色々滅入ってしまっていて、ネガティブな発言も多く、動画もどこか義務感にかられて作っている部分が正直あったりします。でも作らないと本当に「何もない人」になってしまうので、これからも作ろうと思います。

 

 2020年中に累計100本投稿したら引退するかも(あと60本)

 

  というわけで見てコメントしていって下さい。ただ今回、音量がすごいおかしい(全体的に小さいし部分的に大きいなど)のでご注意を。途中でイヤホン壊れてまったく聞こえる音も音量も違うイヤホンに変わったせいです、すいません。

 

 今後とも温かい目で気長にお待ちいただければ幸いです。

 それでは。

 

 ・100人になった時の記事

 ・200人になった時の記事

 ・300人になった時の記事

【動画】ついなちゃんの調声が私には難しすぎた

日々のお勤めお疲れさまです。アカツッキーです。

世間では新型コロナウィルスこと、COVID-19が幅を利かせておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか?私の知人の娘さんが今年小学校卒業だったのですが、全国一斉休校の煽りを受けて卒業式がなくなってしまったそうです。街ではガセネタに踊らされた人々による買い溜めで色々なものが品薄になっていますね。いろいろな意味で悲しいことです。 

 あと色々なところでテレワーク最強。みんなやろう。これからはテレワークの時代だ。みたいなこと言う人が増え、それに賛同する人々がたくさんいますけど、みんながみんなテレワークできる職種になったら最低限の生活すら崩壊するって分かってて言ってるんですかね?

 

まぁ、そんなことはどうでもいいので表題。

 

 元日の新年挨拶動画を除けば2020年初となる動画を投稿しました。

MHW】俺たちは感覚で歴戦王ネルギガンテを討伐する 前編【VOICEROID実況】

 

 昨年投稿したMHWとFFコラボのベヒーモス討伐動画に続いて、VOICEROIDたちがわちゃわちゃしてる動画です。セリフが思いつかなくてネタばかり仕込んでいたら無駄に長くなってしまい、結果的に前後編になりました。もっと気楽に見ていただきたいのですが、よろしければお付き合いいただければ嬉しいです。

 

 今回の動画を作るに当たり、一番苦労したのが昨年発売された女性としては最新型となるVOICEROID2_ついなちゃんの調声でした。f:id:gotenmari:20191018184441j:plain

 

以下意見はすべて個人的なものです。参考程度にご覧ください。

 

 以前少し触った感じ、【声が小さい】【声が籠もって聞こえる】【少し調声すると発音や語尾が乱れる】という感覚を覚えましたが、今回動画を作るにあたりしっかりと触れてみた結果、私のような調声をあまり頑張らないタイプの人間にはかなり難しかったです。

 

 一番大変と感じたのは【声の弱さ】です。音量が小さいということについて、最初は結月ゆかりと同じ感覚でいましたが、そもそもの部分が違いました。具体的に言うと背骨というか、声に芯が無い感じがするのです。

 同じ声が小さいタイプの結月ゆかりは単純に【声が小さい】だけで、多少高さや抑揚を変えただけでは基本的な声質は変わりません。しかしついなちゃんはアクセント句を一ついじったり、高さを少し変えたりするだけで声の張りや滑らかさが失われる感じがしました。

 他のVOICEROIDが木の板(立ててもまっすぐなまま)だとすると、ついなちゃんは水に濡れた紙(そもそも立てることも出来ない)みたいな感じです。調声を何もしていない状態でさえ、乾いた状態の紙のようにふらふらしていてピンとした状態に固定するのがとても難しいです。

 VOICEROIDのソフトとしての性能の高さに甘えてあまり調声を頑張らない私のような人間では、ついなちゃんの声を調声に評価を受ける投稿者さんたちのような違和感のないものに近づけることすら出来ませんでした。

 

 それと動画をご覧いただくと気づいていただけると思いますが、今回私が作った動画のような、声が重なるようなタイプでは、より彼女の声は映えません。一般的な会話形式(交互に声を出す)や、劇場・朗読などの語るタイプの方が、彼女の魅力をより引き立たせることができると思います。

 

 という、自分の力不足を痛感した編集でした。

 面白かったらコメント・広告・マイリスト・高評価・チャンネル登録してくださると嬉しいです。

 

 次回作は未定です。この動画は作るのにエネルギーがすごいので、少し間を空けて初夏前くらいには投稿できたらと思います。わちゃわちゃかは分かりませんが。

 

ではまた。

 

You Tubeはこちらからどうぞ↓ 


【MHW】俺たちは感覚で歴戦王ネルギガンテを討伐する 前編【VOICEROID実況】

【お知らせ】ずんだ式動画について

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ずんだ式また作ります。投稿時期は未定。

とりあえずボイスロイド講座の6時限目。内容は5時限目と、5時限目投稿後に追加された1~4時限目の中で気になったコメントの返しと、その他質問などされて個別に返したものなどのまとめ。

 

それ以外の講座内容はまだ未定。でもたぶん作る。期待しないで下さい。こちらも投稿時期は不明。

 

以上、お知らせでした。

 

 

www.youtube.com

 

 

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【ずんだ式】VOICEROID2ついなちゃん調整考察 - ニコニコ動画

2525再生ありがとうございました。

【不定期連載】あめつちの言ノ葉を読み解く 第3回『つ』

日々のお勤めお疲れさまです。アカツッキーです。

連載企画の第二回目。始めていきたいと思います。

 

※注意※

ブログ内に書いてあるものは筆者の個人的主観と偏見による意見であり、作品の生みの親である今田ずんばあらず氏の思想等とは一切関係ありませんし、的外れな場合もあります。御理解の上閲覧ください。

あとネタバレを含みます。

 

~・~・~・~・~・~・~

あめつちの言ノ葉

◆第一章 模倣と翼の章(2002~2008.01)より

トリガー

ジャンル:†黒歴史†・ハードボイルド/概算文字数:18400文字

 <概要>

200x年、日本。王政主義団体「クラックエイジ」が突然の蜂起。彼らの得意とするゲリラ戦法の前に自衛隊と連合軍は奮戦虚しく撤退を余儀なくされ、日本は完全に孤立する。神谷鳥牙(みたに・ちょうが)はそんな日本で愛する妻子とともに、息苦しさを感じながらも穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、彼に一本の電話が入る。それはこれから始まる鳥牙の長い一日を告げるものだった。

~・~・~・~・~・~・~

 

~ここから感想~

 

『中二時代の作品。読み返して恥ずかしい作品は多々あれど、黒歴史にしたい作品はこれ一作のみ。(中略)正直目を覆いたくなるが、黒歴史だからこそ、この短編集に入れなければならないと思い、こうして名を載せている』

 全部の物語の最後にはずんば氏本人による作品へのコメントが記載されているが、明確に「黒歴史」と言っているのはこの作品だけである。読んでみて「ああ、これは確かに黒歴史にしたい作品だ」と感じた。それと同時に、これを読んだ感想をどう表現すればいいのか、この文章を書いているいまも悩んでいる。

「ツッコミどころが多すぎる!!」といった具合にひたすら思ったことをズバズバ言っていくのはさぞ気持ちがいいだろう。しかし自分の黒歴史ならいざ知らず、他人のそれに対して行なうのは迷惑行為をして注目を集めようとするYouTuberのような非礼を感じずにはいられない。

 色々悩んだが、やはり今までとあまり変わらない書き方をしようと思う。ずんば氏より「気にせず好きな感じに書いてくれればいい。そのうえで、この作品読んでみたいなって思ってもらえる書き方なら嬉しい」という言葉を頂戴しているが、そうした記事にできているかどうかはまったく自信がない……。

 

 さて、前置きがずいぶん長くなってしまったので、そろそろ本題に入ります。冒頭にも書いてありますが、今回は特にネタバレが酷いのでこれから読む予定の人は気をつけて欲しい

 

 物語の主人公である神谷鳥牙は表向きは普通のサラリーマンだが、その正体は自衛隊員である。しかも自衛隊内でも一部の人間しか知らない極秘のエリート部隊「シューティング隊」に所属している。コードネームは「トリガー」。彼を含むシューティング隊が招集され、日本の実質的支配者であるクラックエイジのボス・城崎勇一(しろさき・ゆういち)を確保または殺害するために組織が根城にしている国会議事堂への突入作戦に招集されるところから物語が始まる。

 全体的に言えるところは「地の文が多すぎる」ということだ。第1回『あ』では「会話が多くて地の文が少ない」と書いたが、今回はその逆である。読者が容易に想像できるような目の前の光景のすべてを、一つ一つ並べ立てているかのような描写は、テンポの悪さに直結する。ただ、これも説明的な会話で話を進めようとするのと同じく、頭の中のイメージを表現する語彙を持たない、または何が必要で何が不必要なのかを取捨選択するための知識や指標が少ない故に起こる「よくあること」だ。

 また、逆に自分の頭の中を十分に説明できない部分はザックリとした表現で強引に物語を進めており、読者視点からすると「チョット待って。それでいいのか?」と思う部分も多い。いわゆるご都合主義である。

 

 物語中盤からは神谷たちシューティング隊とクラックエイジとの戦闘シーンが続く。「自衛隊の中でも選ばれた精鋭たち」であるシューティング隊(というか神谷と相棒)は、まさに一騎当千の活躍である。数年前に大流行していた(?)いわゆる「俺TUEEEE」風味な主人公補正が効きまくった神谷たちの活躍は眼を見張る。

 例えば国会議事堂内での戦闘の一幕。建物内の曲がり角部分で敵の投げた手榴弾が爆発し、それに合わせて敵が突撃してきたシーンでのこと。

 神谷は向かってきた敵が構えている拳銃の銃口めがけて発泡。自身の銃口から発射された弾丸は敵の銃口から内部へと侵入し、装填されていた弾丸と接触。そして暴発。それにより暴発した銃を握っていた敵の手首が吹き飛んでいる。

 また神谷の相棒のチー(吉川千惟)は凄腕のスナイパーである。同じ場面で彼女は曲がり角から顔とライフルを『一瞬だけ』出し、『小数点以下の時間(つまり1秒に満たない時間で)』で狙いを定め、的確に敵の腕や足を撃ち抜いている。

 建物内で手榴弾が爆発して砂煙も大量に舞っているであろう環境でこれである。主人公補正ハンパない。つおい(語彙力が溶ける)。

 

 そんな死地で激戦を繰り広げているシューティング隊の司令官はのんきに紅茶を飲んでいたり、敵の親玉である城崎が割と煽られ耐性が低くてすぐに激昂したり、その側近と思われるクラックエイジのメンバーが城崎と神谷の会話を聞いて割とあっさり裏切ったりと、読んでいて良くも悪くも笑ってしまうシーンが多い。

 

 こうして書くと「黒歴史」と作者であるずんば氏が認める通りの駄作のように思えるが、要素を拾い上げていくと実は割としっかりとしている。

 

 まず最初に言いたいのは、表現などが多少不足(過剰)であったとしても、ある程度筋道が通っていないと物語は完結しないということ。これがたとえ黒歴史と言われる作品であろうと、まず「完結できている」ということそのものがすごいことなのだ。

 詳しく中を見てみる。

 例えば国会議事堂突入前、神谷とチーは国会議事堂近くのハンバーガーショップで食事をする描写がある。誰もが知る大手チェーン店を模した店だが、作中では全国展開していたこの店も、神谷たちが食事をした店以外はすべて潰れている。原因はクラックエイジの反乱により日本が孤立したため、原材料を始めとする経費が高騰し、維持できなくなったため。そして客足の減少に伴い人件費削減のため店員が減り、提供までの時間が増えたことなどの描写がある。こうした具体例があると、その影響力など世界観をより具体的にイメージしやすい。

 とはいえ、このシーンの最後に書かれた「これらの原因の根源にはクラックエイジの影があるのはもう存じているだろう(原文ママ)」という一文はまさに蛇足……。初めて読んだ時に思わず「いや、知らんがな」と言ってしまった。 

 

 また、シューティング隊の使う武器などについてもよく調べている。チーの使うM24スナイパーライフルはまだしも、終盤で登場するダムダム弾などは恥ずかしながら私はこの作品で初めて知った。

 

 ご都合主義と主人公補正、ガバガバな理論とガバガバな作戦。創作を嗜み、黒歴史の痛みを知る人間であれば思わず額に手を当て「イテテテ」と言ってしまうような作品ではあるが、同時にアイディアと精一杯の表現で伝えようとする熱意と、なにより当時これを活き活きと書いている姿が目に浮かぶ「作者の楽しさ」が感じられた。

 

 この「あめつちの言ノ葉」を手にした際、私はずんば氏に「どれか気に入った作品と出会ったらVOICEROIDで朗読した動画を作ってもいいだろうか?」と問いかけた。それに対してずんば氏は快諾してくれたが、その際に勧められたのがこの「トリガー」だった。ハッキリ言うが、これは朗読より劇場向けだよ先生。 

 なぜ自分で黒歴史と言ってしまうような作品を勧めたのかについては、個人的に「どういう感想を言われるのか怖いけど知りたい」という欲求があったのではないかと私は勝手に思っています。

 

 気になる点はたくさんあったけれど、私はこういう作品嫌いじゃないですよ。

 

 ただ一つだけ言わせて下さい。

 

 M24スナイパーライフルに特注のアタッチメントを装着することで毎分700発を発射する機関銃になるのはさすがにどうかと思います(苦笑)

 

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 末筆でのご紹介で恐縮ですが、ずんば氏こと今田ずんばあらず先生はご本人でnoteというサイトでご自身の想いを綴られています。その中で、このブログをご紹介いただきました。心よりお礼申し上げます。

 作者ご本人の言葉で作品やそれにまつわるエピソードを私とは違って読みやすい文章で書かれていらっしゃいますので、どうぞそちらも合わせてご覧ください。

 

 

トリガー / 2020.02.02 読了

 

著者・今田ずんばあらず氏:Twitternote

イラスト・秋月アキラ(大城慎也)氏:Twitter 

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【雑記】VOICEROID最新作『VOICEROID2_伊織弓鶴』情報まとめ

日々のお勤めお疲れさまです。アカツッキーです。

本日はVOICEROID系同人イベントの先駆けである「この声届け月までも(通称:声月)」が開催されました。今回が最後ということで話題にもなりましたね、参加された皆様、そして運営様、お疲れ様でした。

 

それでは、表題。

 

『VOICEROID2_伊織弓鶴』は2020年1月30日、VOICEROIDを販売する株式会社AHSの公式Twitterにて発表されました。

 名前の読み方は『伊織弓鶴=イオリ・ユヅル』で、VOICEROID2としては初、VOICEROIDシリーズとしては2015年10月に発売されたVOICEROID+水奈瀬コウEX以来4人目の男性VOICEROIDである。

 ちなみに1人目は月読ショウタ、2人目は鷹の爪吉田くんである。

 

 発売日は2020年2月27日

 

 彼を企画したのはVOICEROIDに使用されている合成音声ソフトを開発した株式会社エーアイ。同社は過去に琴葉茜・葵を企画したことでも知られており、伊織弓鶴は彼女たちの弟分に当たる。

 

◇機能について

  AHSの製品紹介ページによると、『VOICEROID2 伊織弓鶴』は、優しく穏やかでありながらも感情豊かな声が特徴、とのこと。

実際に紹介ページで喋らせてみると、私の主観では以下のように感じた。

 

(いずれもデフォルト)

・音量=やや小さめ

・話速=遅め

・高さ=やや低め

・抑揚=普通

・雰囲気=全体的に落ち着いた印象

 

 水奈瀬コウが快活でハキハキした声のため、相対的に低め・遅めに感じてしまう部分は少なくないが、「優しく穏やかな声」というコンセプトは素直に頷ける。

 

 また伊織弓鶴は結月ゆかり、琴葉茜・葵と同じ感情機能(スタイル)を搭載しているため、よりその声の幅は広がることが予想される。

 

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※豆知識※

結月ゆかり・琴葉茜・葵の感情(スタイル)

→喜び・怒り・悲しみ

 

東北イタコの感情(スタイル)

→あたふた・パワフル・セクシー

 

紲星あかり・桜乃そら・ついなちゃんはVOICEROID2だが感情機能は搭載されていない

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◇デザインについて 

  伊織弓鶴のキャラクターデザインは過去に琴葉茜・葵を担当したイラストレーターの吉田ヨシツギ氏(Twitter)。

 全体的に線が細く、金色の瞳が印象的。大きな特徴としては胸と髪飾り(?)に大きめの鈴が付けられていること。

 また、彼の広げた右手のてのひらには琴葉茜・葵のブーツに使用されていたものに類似するデザインがされた物体(?)が描かれており、考察大好き民によって既に様々な二次創作設定がTwitterなどに投稿されている。

 余談ではあるが、Twitterにおける考察班の見解では公開されていない伊織弓鶴の身長は145~150cm程度であり、東北きりたんついなちゃんより大きいが、琴葉姉妹よりは小さいのでは?と言われているが、真偽の程は定かではない

 

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※豆知識※

VOICEROIDの身長について(小さい順から記載)

東北きりたん=125cm位*2

役ついな=139cm

紲星あかり=151cm

京町セイカ=151.5cm

東北ずん子=157cm

弦巻マキ=158cm*1

琴葉茜=158cm位

琴葉葵=158cm位

結月ゆかり=159cm

東北イタコ=160cm位*2

 

月読アイ・月読ショウタ・水奈瀬コウ・桜乃そら=非公開

鷹の爪 吉田くん=90cmくらい(130cm)*3*4

 

*1 ビーナスイレブンびびっど!コラボ情報より

*2 ずんだホライずんCF支援者限定『秘密の設定資料』より

*3 鷹の爪のアニメを制作した蛙男商会の本では130cmという設定(wikiより)

*4 2015年2月13日の設定変更時に90cmくらいに変更(wikiより)

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◇弓鶴とついなとカレーパン

 2020年1月30日のTwitterで発表されたのちに行われたAHS公式生放送冒頭で、出演者がカレーパンを持って「ありがとう弓鶴くん。カレーパン受け取ったよ」と発言する一幕があった。これはそれまでVOICEROIDで一番の新人であったVOICEROID2_ついなちゃんがTwitter上でカレーパンを買ってこい!と先輩風を吹かせて弓鶴をパシリにする引用RTを投稿したものを公式が見つけて拾ったものである。

 この出来事から、伊織弓鶴とついなちゃんがペアで登場するネタや二次創作設定が現在多く見られる。

 

以上。

 

 ひとまず私が認識している限りの情報をまとめました。私は公式生放送をまだ見ていないので、もっと詳細な情報があったかもしれません。それについてはお手数ですが検索していただくか、AHS公式生放送をご視聴いただければと思います。
AHS公式生放送第153回

 

 あとこれは個人的に質問されたのでお答えさせていただきます。

 私は過去に「VOICEROID2_東北イタコ」や「VOICEROID2_ついなちゃん」が発売された際に「調整考察」として製品版を使用してテキストを読み上げるサンプル動画を投稿しました。これに伴い、今回も投稿するのか?とのご質問をいただきましたが、投稿はしません。というか、現時点では購入の予定もありません

 もし期待してくださっている方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。

 

<参考>

【ずんだ式】VOICEROID2東北イタコ調整考察(ニコつべ

【ずんだ式】VOICEROID2ついなちゃん調整考察(ニコつべ

 

 といったところで、この記事を終わります。

 それでは良きVOICEROIDライフを。 f:id:gotenmari:20200211174456j:plain

 

【不定期連載】あめつちの言ノ葉を読み解く 第2回『め』

日々のお勤めお疲れさまです。アカツッキーです。

連載企画の第二回目。始めていきたいと思います。

 

※注意※

ブログ内に書いてあるものは筆者の個人的主観と偏見による意見であり、作品の生みの親である今田ずんばあらず氏の思想等とは一切関係ありませんし、的外れな場合もあります。御理解の上閲覧ください。

あとネタバレを含みます。

 

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あめつちの言ノ葉

◆第一章 模倣と翼の章(2002~2008.01)より

小説版「ドラえもん のび太と戦国パニック」

ジャンル:二次創作SF・歴史・ファンタジー/概算文字数:10600文字

 <概要>

冬休みの宿題として戦国時代について調べることになったのび太たち。ジャイアンの発案(皮肉)で戦国時代に行きたいとドラえもんに相談していると、突然現れた自称魔法使いに不思議な呪文をかけられてしまう。目が覚めると、なんとそこは戦国時代だった。しかも豊臣、武田、上杉が、あのシンデレラを取り合って合戦に!?果たしてのび太たちは元の世界に帰ることが出来るのか?

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~ここから感想~

 

 タイトルから分かる通り、この作品はドラえもんの二次創作である。
 元々はずんば氏が小学六年生の時に書いたクラスの劇脚本なのだという。「戦国時代の劇」をやりたい男子と「シンデレラの劇」をやりたい女子が対立する中、一人「ドラえもんの劇」がやりたいと思っていたずんば少年が手を上げてこの三要素を取り入れた物語を作り上げた。

 ドラえもんで最も多いパターンは「のび太ジャイアンにいじめられ、ドラえもんに泣きつき、未来の道具でなんやかんやする」というもの。「なんやかんや」と酷く曖昧な表現になるのは、言うまでもなくそのパターンの多様性が大きい。単純に仕返しする場合もあれば、逆にトラブルになったり、元々の思惑とは見当違いの出来事(人助けなど)になることも多い。

 この作品もまた、きちんとそのパターンを踏襲している。

 

 冬休みの宿題で戦国時代についてレポートを書く宿題を出されたのび太たち。戦国時代に行きたがるジャイアンと、そんなの無理だよと極めて一般論をいうのび太。そんなのび太を殴りつけるジャイアンは。ドラえもんに相談するのび太。そしてなんやかんやあって戦国時代に行くことに。

 ドラえもんの登場人物はドラえもんのび太ジャイアンスネ夫の4人。のび太のダメ人間っぷり、ジャイアンの傍若無人ぶり、スネ夫のマザコンと取り巻き臭(小物感)は、原作よりも誇張されている気がする。ドラえもんは、ややフランクというか、会話の端々がだいぶ軽い。

 

 全体的な構成に目を向けると、思いのほかしっかりとしている。

 上記の通り、ドラえもん出身の4人の特徴は多少大袈裟に表現されているもののちゃんとそのキャラクターを認識することが出来る。

 登場する戦国武将は豊臣秀吉武田信玄上杉謙信という有名所で揃えられている。しかも作品冒頭で行われている学校の授業風景でこの三人は言及されており、きちんと伏線回収の形となっている。

 シンデレラはまた少し違っている。シンデレラは世界中に似た話(バリエーション)があると言われているが、日本でシンデレラといえばやはり欧州からの輸入された文学の印象が強い。劇中ではそれを利用して戦国に迷い込んだシンデレラは日本語がわからない設定になっており、ドラえもんたちはひみつ道具「ほんやくコンニャク」を使うことで戦国武将たちがコミュニケーションに四苦八苦していた問題を見事に解決している。

 物語は進み、いよいよ武田・上杉・豊臣(ドラえもん)によるシンデレラ争奪戦が始まる。戦国時代の合戦と言えば足軽や鉄砲隊による数千数万の軍勢のぶつかり合いが主流だが、あくまでこれは小学生の劇である。そんな地域住民総出演しなければいけないような演出は事実上不可能だ。そこをずんば少年はシンデレラに「引き連れ(戦に参加する人間)は10人まで」と条件を提示させることでこの問題を解決している。

 あとここまで書いといて今更ネタバレも何もないのだが、詳細は省くとして最後のオチはシンデレラがかっさらっていく。劇として見るならやはり一番の見せ場はひみつ道具を多用する合戦だろう。それを考えれば女性陣のやりたかったシンデレラsideにオチを譲るというのもバランスが良い。

 

 もちろん回収されない伏線や説明不足なことが多くあることは否めない。小説版として再構成されたとはいえ、やはり表現などに違和感や疑問符がまとわりつく。

 だが、基本的に小学生くらいを対象とした物語は往々にしてそういうものが多い。あえて語ることなく終わることで、読者の想像力を刺激するためだ。(見せ場とオチを男女別にしたのもそうだが)ずんば少年がそこまで考えていたとは失礼ながら到底思えないが、結果としてなかなか良くまとまっている。たぶん同じ年頃の私はもちろん、世間的に中年に突入した今現在の私でも書けない。

 

 個人的に一番気になったのはシンデレラに関する設定である。劇中内でシンデレラはドイツ出身となっている。私の記憶ではシンデレラはグリム童話に含まれる話(灰かぶり姫)であり、グリム童話を編纂したグリム兄弟はドイツ(で活躍した)の人である。私もこの記事を書くにあたりウィキペディアを覗いてみたところ、日本人の多くがイメージするシンデレラの「魔法使い」「ガラスの靴」「カボチャの馬車」などの設定はフランスの文学者である、シャルル・ペローの「サンドリヨン」が元なのだそうだ(初めて知った)。もしずんば少年が当時それを知っていたら、劇中のシンデレラはフランス出身ということになっていたかもしれない。もっとも出身地がどこであろうと「ほんやくコンニャク」で解決されてしまうのだが……。

 

 ずんば少年が描いたこの作品は、学級内外を問わず広く好評を得たという。この成功体験が、後々のずんば氏の創作活動の活力となっている。他人のために行動する大切さを説く人間は多いが、実際に他人の評価を得られる機会は思いのほか少ない。それを小学生という早い段階で経験できたことは幸運であり、貴重なものだったことは言うまでもない。

 

 ただ一つ個人的にどうしても腑に落ちないのは、最後のドラえもんのび太のやり取りからのシンデレラによるオチ。この二つがあまりにも矛盾している。辻褄が合わない。たとえ「小学生だから」という色眼鏡でも、どうしても気になってしまう。

 

 ……私も嫌な大人になったものだ 。

 

 

 

小説版「ドラえもん のび太と戦国パニック」 / 2020.01.29 読了

 

著者・今田ずんばあらず氏:Twitter

イラスト・秋月アキラ(大城慎也)氏:Twitter 

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